九寨溝の渓谷の景観と歴史地域

九寨溝の世界遺産

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九寨溝の渓谷の景観と歴史地域

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九寨溝(きゅうさいこう)
・登録区分 自然遺産
・登録年   1992年

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九寨溝(五花海)

九寨溝(簡体字:九寨沟;拼音: Jiǔzhàigōu)は中国四川省北部のガパ・チベット族羌族自治州にある自然保護区である。ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されている。本稿では九寨溝とその周辺の地域について記述する。

■概要
九寨溝は石灰岩質の岷山山脈(びんざんさんみゃく)中、標高3400mから2000mに大小100以上の沼が連なる、カルスト地形の淡水の湖水地帯である。谷はY字状に分岐しており、岷山山脈から流れ出た水が、滝を作り、棚田状に湖沼が連なる。水は透明度が高く、山脈から流れ込んできた石灰石成分が沼底に沈殿し、日中には青、夕方にはオレンジなど独特の色を放つ。また、流れに乗って運ばれてきた腐葉土に植物が生え独特の景観を見せる。ジャイアントパンダの生息地としても有名である。

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ジャイアントパンダ

この独特の景観は水に含まれる大量の石灰岩成分によるところが大きい。棚田状の湖群の自然堤防は石灰成分の付着によって形成されたものであり、水流の中に生育する森林と言う独特の景観も石灰成分の凝固した岩に起因している。また、透明度の高い湖の底に沈んだ倒木も、その表面に石灰成分が付着し、いつまでもその形を留めていることも独特の景観に一役買っている。

チベット人など少数民族の居住地としても知られ、「九寨溝」の名もチベット人の村(山寨)が9つある谷であることから付けられたものである。

1970年代に森林伐採の労働者によって(元々居住していたチベット人以外に)偶然に発見された。

■地図

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■観光
自然保護のため付近の開発が制限され、1日の入場者数も制限されているが、中国屈指の人気観光地のひとつである。従来は約450km離れた成都からの長距離バスで約10時間かけての陸路が唯一のアクセス手段であったが、2003年に九寨黄竜空港(九寨溝溝口までは83キロ、黄竜渓までは52キロ)が設けられたため、空港からは約1時間半での到達が可能になった。

ただ、九寨黄竜空港は標高3500メートルの高地にあるため、心臓病や高血圧などの持病を持つ人は、その利用には注意が必要である。空港の待合所内には酸素吸入装置もあり、有料で使用可能である。また、九寨溝も溝口が既に2000メートルの標高地であり、観光客が到達できる最も標高の高い地点は「長海」の展望台で標高約3200メートルである。ある程度の高山病対策も必要である。九寨黄竜空港は気象条件によって頻繁に飛行スケジュールが乱れるため、空路を利用する場合は余裕を充分にとったスケジュールが必須である。

九寨溝内では個人客も団体客も専用の天然ガス利用の低公害型バス「グリーンバス(緑色旅遊観光車)」(1日フリー乗車券でのみ使用可能)で各景観ポイントを周遊するか、すべて徒歩で巡るかを選択できるが、一番奥までは片道30Km以上の距離があり、溝口に最も近い景観ポイントまででも徒歩で1時間30分ほどかかるため、一般的にはグリーンバスと一部景観ポイントでの徒歩での散策の組み合わせが一般的である。

ただ、Y字状の谷を行くバスはいろいろな系統があるものの、はっきりと行き先を明示していないバスも多いため、そのようなバスを個人で利用する場合は、前方に乗務しているガイド役の乗務員に行き先を確認するなどの必要がある。また、途中の景観ポイントの停留所で下車する場合、乗務員に予め伝えていないと通過する。また、途中のバス停から乗車する場合も、バスに向かって手を上げるなどしないと通過する。(なお、団体がチャーターしている専用バスもあり、そのバスは必ず通過する。)また、バス停によっては上りバスは停車するが下りバスは通過するなどのバス停もあり注意が必要である。

Y字状の谷の2つの谷の交点には「諾日朗(ノーリラン)観光センター(諾日朗旅遊服務中心)」が設置されており、レストラン・軽食コーナー・売店などがある。また、グリーンバスの各路線の乗換え地点となっているが、長海行きの乗り場だけは、上の方に離れた場所にある。また、チベット族の集落のひとつ「樹正寨」の一角は「九寨溝民俗文化村」と称した土産品店街となっている。

宿泊は溝口を中心に5つ星クラスの高級ホテルから、民宿・ユースホステルに至るまで、数多くの宿泊施設が存在する。ただ、溝口から遠く離れた宿泊施設の場合、路線バスが存在しないため、溝口まではタクシーなどの利用が必要になる。宿泊施設はチベット建築風の外観を持つ建物が多く、宿泊施設周辺の集落はチベット族の住民が多く見かけられる。なお、九寨溝のゲート内には宿泊できない建前になっているが、実際には夏季のみ専用バス路線沿いに3つあるチベット族の集落に臨時の民宿が出現する。

4月中旬から11月初めまでが盛期であり、特に中国の大型連休である5月初めと10月初めは大混雑する。冬は積雪もあるが年中グリーンバスは運転され年中観光は可能である。ただ、冬から春にかけては水量が少なめで、滝の水量が少なく一部の湖の水量も少ない。また「季節海」と呼ばれる湖は全く水がないことが多い。また、遊歩道のかなりの区間が冬季は積雪のため、春季は山火事予防のため通行止めになっている。夏季はかなり雨量が多く、雨具は必携である。最盛期は朝のうちにゲートに到着していない限り、個人客は入場総数制限に抵触し入場できないことがある。

・利用料金(全て2008年3月現在のもの)
【入場料】
通常期(4月1日〜11月15日)1日220元・学生及び60歳代の人180元 。
閑散期(11月16日〜3月31日)1日80元・学生及び60歳代の人70元。
入場料は通常期・閑散期とも20元の追加料金を支払うことにより2日間有効にできる。この場合専用の入場ゲートで、入場時に顔写真を撮影してもらう必要がある。2日目の入場時も同ゲートを利用し、顔写真で同一人物かを確認のうえで入場する。
70歳以上の人及び幼児は入場無料である。

【グリーンバス1日フリー乗車券】
通常期1日90元。
閑散期1日80元。
2日間有効入場券を所持していても、バス乗車券は1日ずつ購入する必要がある。また、徒歩だけで観光をする日は購入する必要はない。

・グリーンバス路線
溝口ゲート〜原始森林
溝口ゲート〜長海
溝口ゲート〜諾日朗(ノーリラン)観光センター
諾日朗観光センター〜原始森林
諾日朗観光センター〜長海
鏡海〜諾日朗観光センター
原始森林〜長海
溝口ゲート〜樹正寨(民俗文化村・夕刻のみ)
溝口ゲート〜扎如寺(2008年3月現在、扎如寺の改修工事に伴い運休中)

・2008年チベット独立デモに伴う影響
標記の影響により、外国人はチベット自治区や各省のチベット族自治州の観光が禁止・あるいは制限を受けているが、2008年4月現在、九寨溝および黄竜も外国人は航空機による九寨黄竜空港経由の訪問しか認められなくなっている。そのため、時間はかかるものの安価で訪問できる成都からの長距離バス路線は外国人の乗車が認められなくなっているほか、ツアーでもバスで訪問するプランはキャンセルになるなどの影響が出ている。

岷山山脈
岷山山脈(みんざんさんみゃく、びんざんさんみゃく、岷山、ピンイン:mín shān)は、中国西南部の高い山脈。甘粛省南部から四川省西北部にかけて約500kmにわたり伸びる山脈。標高4000m〜4500mの高山が連なり山頂には氷河もある。ユーラシアプレートの下にインドプレートが入り、チベット高原が隆起した際、同時に隆起して形成された。さらに氷河の浸食作用により現在の地質や地形が形成された。

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黄龍風景区の湿地

山脈北部は甘粛省と四川省の境を北西〜東南方向に伸び、山脈の南部は四川省西北部のガパ・チベット族羌族自治州を南北に伸びる。主峰の雪宝頂(雪寶頂)は同自治州松潘県内にある、白い雪を頂くチベットの聖山で標高は5,588m。

さらに岷山山脈と並行し、龍門山脈、邛崃山脈、九頂山、青城山などが北東〜南西方向に伸び四川盆地の西側に屏風のように立つ。邛崃山脈の四姑娘山は海抜6,250mに達する。これらの山並みの南の延長線上には峨眉山がある。

岷山は長江水系と黄河水系の分水界でもある。岷江や白水江(嘉陵江の上流)など岷山の東や南に発する河川は最終的には長江に合流する。一方、白河(別名・嘎曲)、黒河など、岷山の北西に発する川は、松潘県の北西に広がる草原や湿地を経て黄河上流に合流する。

岷山山脈には深い森林と険しい渓谷が続き、鉱物資源や森林資源が豊富である。またジャイアントパンダやキンシコウなど絶滅にひんする希少生物の主な生息地でもある。また風景もすぐれ、九寨溝、黄龍風景区、青城山などは代表的な景勝地である。

■外部リンク
世界遺産めぐり(29)四川省・黄龍『人民中国』 (日本語)

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